2012年10月18日木曜日

”オスプレイ”なのか?

一連の流れ、殊に配備反対のご意見はオスプレイが諸悪の根源、的になってますが...。

本質は、
”沖縄県への米軍基地集中かつ不公平な地位協定で踏みにじられている諸々”
”ありえない危険度で運用され続けている普天間飛行場の問題”

と、捉えているのですが、如何なのでしょうか?

悲惨な基地周辺の暴行など諸事件や、
普通は「臨時離発着場申請」も下りないんじゃないか?
という市街ど真ん中での常用基地運用、
そして頻発する事故とその不条理な処理...。
心が痛い話が多いです。
つい昨日にも女性への暴行事件が・・・。

なんの準備、確約も無く基地廃止/県外移転を約束して島民の心を弄んだ上に、
現実を突きつけられた途端に責務を放り出した総理大臣と政権党への怒り。

結局、よりこじれた状態の中、基地廃止どころか
米議会で事故公聴会が開かれたりしている”危険な”新型機が配備される...。

よく考えるとこの事件、オスプレイそのものが問題では無いですよね?

それこそ「危険だ欠陥だ」のオスプレイが、
全ての機材的な問題をクリアーしたら解決?
そうではないはず。

沖縄の人々の心を踏みにじる諸問題への、
怨み、怒り。それが問題。
でもその象徴にされてしまっているような...
悪魔の飛行機の様に。

ティルトローター機、数十年かけてやっと研究室から飛び立ったばかりの、
夢の飛行機なんです。
まだまだ育てて行く、ノウハウを積み重ねる必要が沢山残っている機材。

そういう段階で、運用自体に危険性を孕んでいる基地への「配備」は
問題があるでしょう。その怒りは当然かもしれない。
なめられているとも思う。

でも、
通常の飛行機の速度と航続距離を持ち、ヘリコプターと同じく
ホバリング、垂直離着陸できる...。
いずれ、機密性が薄れて来て、海上保安庁や各県警航空隊、自衛隊の救難部隊に
配備された時、その日本の国土、離島・僻地の多さと距離に対する
ローカルマッチングの良さといったらない。特に、沖縄県のような土地に。
ヘリの飛んで来れない距離に飛んで来て、ホバリングできて、
飛行機の速度で病院に搬送できる航空機。

その時に、機材に対して固有の悪感情・憎悪があったら、
それで悲劇が増幅したら、
とても悲しい。
機材そのものには、数十年にわたっての、
作り手達の想いがつまってるんだよなぁ。
きっと。
だから、悪魔の飛行機的なキャンペーンは張って欲しくなかった。

でも、解り易い「憎悪の対象」が必要なのかなぁ・・・。
配備を強行したのが問題で、機材の罪では無い、と思うのだけど。

少年の頃、bell-XV15、
オスプレイのほぼ原型となったティルトローター機を知った時、
「夢」を見たんです。
が、それが憎悪の対象として上陸したのが、
やはりとても悲しいです。


ちなみに、いつぞやツイッターで、制御工学の大学教授?を名乗る方が、
「左右のローターの同調を完全に取るなんてできっこない。
 制御のプロのオレが言ってんだ間違い無い。
 まちがいなく欠陥機だ!」
的なツイートをされてましたが、乗り物機械をやってれば当たり前ですけど、
”左右のローターは、シャフトで連結されて回ってます。”
でなきゃ同調なんかするわけない。そんなの当然、ん十年前の技術で
解決してます。
大変なのはもっと別んとこ。
まことしやかな便乗ご意見にはお気をつけを。