2013年8月17日土曜日

【本】”田宮模型の仕事”田宮俊作著 文春文庫刊 (【ナツヨム】ミシマ社渡辺佑一さん選書)

”好きな事は仕事にしない方がいいよ”
とは、
自分が就職したバブル余韻(弾けた直後)の頃、
よく社会の先輩方から訳知り顔で云われた台詞。

ま、真意はいろいろ在るんだろうけど。

生い立ちや、環境や、性格や、そもそも指向や、
みんな違うので普遍的な答えなんか無いのでは?
が、
冒頭の台詞に対する今の答え。

...だけでは身も蓋も無いので、もうちょっと想いを。

好きな事を仕事に選んで、
そこに潜む好きじゃない現実も見て、
手も下して、塗れて、
それでも好きで居て、
その好きな事で世を、誰かをシアワセに。

...している人は、大人、だなぁ、と。

ハナから好きな人、
後から好きになる人、
そこに差は無くて、
深さ、広さ、なのかな。

なんて、いろいろ考えてしまいました。

この本は総じて痛快!!
紆余曲折あっても、しっかり考えて、
成功にたどり着く物語は気持ちいいですね!

作中に出てくる、様々な人々との
思いやりのキャッチボールも素敵です。

伝説の”タミヤの零戦”、やっぱり作って見ようかなぁ。
(プラモ苦手で、素組で終わっちゃうんだけど(苦笑))

【本】”翼はいつまでも”川上健一著 集英社刊 (【ナツヨム】田口店長選書)

おっさんの少年心が”甘酸っぱい!”小説です!
...ちょっとネタバレ?

中学生最後の夏、

全力で取っ組み合った部活に水を差す
対話なき力ずくの”大人たち”への抵抗。

ラジオから聞こえてきたビートルズでの
唐突な脱皮。

まだ知らぬ性への、はち切れそうな
幼い「少年の」好奇心。

恋。

そして”護る”心の芽生えが導いたのか、
気づか無かった衝立がバタバタと倒れて行く様な
視野の広がり。

自分の変化からの、ずっとあった葛藤との和解。

こんなドラマチックでも、爽やかでも無かったけど、
14歳の自分ー!!
思い出しちゃったな、いろいろ。

【ナツヨム】田口さんのキャッチ
”もし、14歳の自分に声を掛ける事ができたら、
あなたなら、どんな言葉をかけますか?”

14歳男子、の内部的ないろいろがバレバレで、
なんともはや、なので、男子限定(笑)で。

...作中の多恵ちゃんに、やられちゃいます。
14歳の部分が、ね(笑)。