2011年5月
石巻市内のあちこちで、まだ街道沿いの2階屋の上階にクルマが突っ込んだままの頃。
日本製紙さんの”巻き取り”、巨大な紙ロールを市街で何本か見かけた気がします。
2011年5月11日 石巻市街 |
2011年5月11日 石巻市街 |
2011年7月
ちょっとだけお手伝いしていた、
関東から毎週末支援活動をされていた方に連れて行って貰って。
まだ工場からは蒸気は上がっていなかったと思います。
回収したと思われる紙ロール”だったもの”や、パルプ”だったもの”が
工場周辺にうずたかく積まれて居たのが印象的でした。
ガイドしてくれていた方が、
”ここ(日本製紙)は、自力でもうすぐ再開するらしいよ”
と言っていた話をうっすら憶えています。
とてもそんな状況には見えなかったけど...。
2011年7月23日 日本製紙工場入り口 |
2011年7月23日 日本製紙工場付近 |
2012年5月
まだまだ、なにも稼働...動き始めている気配の薄い石巻の街の中で、
海沿いに向かう路のT字の交差点の奥で、
盛大に蒸気をあげて稼働している工場が見えたとき、
本当にちょっと慄えました。
2012年5月2日 石巻市門脇付近 |
2012年5月2日 石巻市門脇付近 |
2012年5月2日 日本製紙石巻工場 おそらくボイラー棟 鯉のぼりが! |
工場内もそこかしこで重機が復旧作業をしている中、
操業の証の蒸気がもうもうと...。
この本は、その時工場で、街で何が起きていたのか?
決してきれいごとではないコトまで含めて伝えてくれています。
読めて良かった。
出版界の皆さんには、”紙”という特別な軸での側面が在る様ですが...
私には、おなじ”製造業”の面での共感が。
特に、工場長が自工場の現状認識からではなく
”ニーズ”から判断した復旧期限を示達する場面では、
小さいながらも部門を預かる身に取って突きつけられるモノが多々。
ひとからげにはできない、被災の実際を知る、という意味と、
失いかけている日本のモノづくり、のコアを知る意味で、
是非読まれて欲しい一冊です。
...読まれる際に、上記の写真が少しでもご参考になれば...。
【リンク】
紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場 佐々涼子著 早川書房刊