2014年6月2日月曜日

【本】”エンドロール” 鏑木蓮著 ハヤカワ文庫 刊 (読後感想)

先日、友人を亡くしました。享年47。

彼とは、学校を出て最初の就職先の同期。

同期の中に、
ありがたい事に繋がりを絶やさず取ってくれるメンバーがいて、
彼女のおかげで彼とも付かず離れず、たまに呑んでは話していました。

死別することなど意識になかった上での、突然の訃報。
正直、今後彼と会い、話す事は無くなる事への実感がまだない。

重い病から癒えきらない身体を引きずって、復職の為独りの家に戻り、
急変した容体の中、何を思って逝ったのか...。

孤独ではなかったか?

彼の葬儀含め、
諸事重なり疲労が重く、ちょっと無理を言って貰った休みの中、
盛岡で買い込んで積ん読されていたこの本に、ふと手が伸びました。

最終章に、モヤついた心がちょっと救われ...いや、ヒントが。

いずれ我が身も通る路。

一緒に「以後なんでもあり」の世の中に漕ぎ出した
”戦友”
の死に直面して、
本文中の、本物の戦友達の姿が、尚更響いてきたたような気もします。
...僕らに隠したい過去は無かったけど。

孤独死だけでなく、生き続け、忘れるべきでない戦争の傷、
今なお静かに進んでいる過疎、限界集落の姿などに
「直面した時の景色は?」
についても、細かく実感が湧いて来る本でした。

”エンドロール”
元々の「しらない街」からの改題で、
改題の提案者がよく知る書店の店長さんだと知ったのは買ってから後(笑)。
彼が巻末の解説も書いていますが、
そこにある通りに...。本当に、届けてくれて感謝です。

http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/21144.html

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