(続き)
行程のGPS軌跡。 石巻から鮎川に伸びる、青〜緑のグラデーションの線が今回の経路。 色は速度で、青い程遅い。 |
トラックは、福岡県の生協が支援提供してくれているデリバリー用のもの。
今回の目的地は、鮎川の僅かに手前のO浜。300人以上の大きな避難所です。
カセットコンロ、ボンベ、チョコ菓子、リンゴ、下着類、自転車等を積んで出発。
失礼とは思いますが、同行の士、往路復路とも会話に尽きることない道中でした。
お気遣いさていたのかも知れませんが...。
「先生、それはちょっと学生には言えませんよね〜」な話題とか、
本当にいろいろお話したのですが、言えないので割愛(笑)。
真面目な話も沢山していただきました。
・本来の路上生活支援の中で見ていて、被災が原因で路上にでる人が増えている件
・支援物資提供は肉が多いが、沿岸部の、年配者は肉だと食べられない人もいる件
・自衛隊で、生命維持分の炊き出しはしてくれているが、食べる喜びは...
嗜好品については民間支援しかなく、奪う様に欲っしている件
・調整不足で、被災当事者への現金収入支援の瓦礫撤去作業が、
別途指示をうけたボランティアに片付けられてしまった件
途中、海側と内陸側で、明暗を分けた「東部道路」を通り、石巻に。
写真を撮るのに、凄く気が引けました。ですが
「伝えてください」
と仰っていただけたので、でも腰の引けた撮影ですが、撮りました。
石巻市内 これでもかなり片付いているエリア 結構埃っぽく、磯っぽくてかつ饐えたような臭いも。 ただ、以前あった”死臭”ではないそう。 |
やはり迫るものがあります。
何故ぐっと迫るのか、最近読んだ、盛岡の書店員さんのコラムではっとしました。
きっと、今は瓦礫ですが、それぞれ被災した皆さんの生活を形作っていた物達の、
変わり果てた姿であり、往時が想像できるけどこの破壊が信じられない、から...?
石巻市内 一見片付いているが、クルマがひっくり返ってます。 片付けで日々景色が変わるので、道を間違え易いそうです。 |
浜が丸ごと薙ぎ払われていました。 |
手つかずの瓦礫 でも、自衛隊の捜索は済んでいるよう。 震災直後、このような瓦礫のあちこちに 人体の部品が挟まっていたそうです。 |
尾根を回り込む為に標高があがると 何事も無かったかのような風景。 でも、地割れもうねりもひどい。 |
ボランティアの皆さんが、フロートの回収を。 養殖筏の再生が目的かな... |
浜に鯉のぼりが! |
捕鯨のキャッチャーボートまで。 ドック入りしていたものが流されたそうです。 つい最近、海に戻されて補修に向かいました。 |
O浜避難所 秋田・湯沢町から炊き出し支援にきていました。 うどん、美味しそう♪ |
O浜の避難所に到着。丁度昼食の炊き出しの最中でした。
先生曰く、格段にみなさんの顔が明るくなっているとの事です。
・日程はともかく、仮設住宅の場所と入居の概日程がでた。
・連休で、多くのボランティアが来て物事が進んだ(?)
・熱望していた自転車(活動範囲拡大)が、大量に届いた。
ただ「がんばろう!」といっても頑張れないけど、目に見えるものは
やはりモチベーションを上げてくれるのかもしれません。
積んで来たチョコ、自転車は好評で、現地の皆さんに手伝ってもらって
すべて荷下ろししました。
いろいろ情報を伺って、出発。鮎川の様子を観に。
途中の十八成(くぐなり)浜。 皆避難所なので、人っ子一人いませんが、先日、恒例の 「夏祭り」を敢行したそうです。 先生のNPOで、その際のお神酒を届けたとか。 |
鮎川の街も、やはり薙ぎ払われていました。
シンボルの、観光船乗り場のオブジェ |
2005年、ツーリングで来た時の 往時の姿 |
浜という浜は、軒並み薙ぎ払われていましたが、道沿いには真新しい電柱が。
電話会社の衛星中継車や、自衛隊、専門業者の重機など、再生への動きは
確実にありました。ただ、あまりに破壊の規模が大きいのも事実。
まだまだ、手のついていない部分の方が大きいような印象です。
私が伺った、5/11時点で、半島内の信号機は未だ点いていないし、
ガソリンスタンドも全半島で、給分浜近くの1カ所のみ。被災規模が大きく、
支援の手が緩むとすぐに状況が悪化するのが今の状態のようです。
ただ、今回のものより更に大きな明治29年の津波災害を超えても、
やはり皆三陸に住み続けてきたのは、大きな事実。
考え込ませられました。
仙台帰着後、近くの市民センターの避難所の炊き出しに、同行させていただきました。メニューは豚丼。
「肉類は...」まさに直面。サンマ缶詰を暖めたりと、工夫しています。
炊き出し終了後、ひと椀戴きました。美味しかったです。
皆さんは、ほとんど毎日炊き出し等の支援に携わっているとのこと...。
貴重な経験をさせていただいて、本当に感謝しています。
一言で、結論の言える経験ではありませんが、よく咀嚼しようと思っています。
(結)
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